どう診る? どう育てる? 子どもたちの歯列と口腔機能
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舌舌9頬粘膜■良い噛み方頬粘膜図1 口唇は閉じられ,鼻のみで呼吸する.その際,舌尖は口蓋に軽く接触し,上下の歯は少し離れる.図3 a:グラインディング咀嚼.歯ごたえのあるものを上下の臼歯をすり合わせて食べ物をすりつぶしながら咀嚼する.頬と舌の協調運動であり,食塊を左右に振り分け左右均等に噛む.苦手とする子どもたちが増加している.b:チョッピング咀嚼.軟らかいものを噛むときの上下運動.現代人にはこの噛み方が多いといわれている.頬と舌の力のバランスが悪く,この動きしかできない子どもたちが増加している.図2 嚥下の瞬間に舌は口蓋のスポット部に押しつける動きをし,同時に上下の歯は接触する.その動きに口唇は関与せずリラックスした状態.3a下歯列はしっかりと咬合し,口蓋に舌を押しつけて食塊を送り込みます(図2).その際に口唇の動きは関与しません.咀嚼は口唇を閉じ,舌で食塊を左右に運びながら左右均等に咬みます,歯応えのあるもの,軟らかいものを区別してチョッピング咀嚼やグラインディング咀嚼を使い分けます(図3).このように「良い呼吸」「良い飲み込み方」「良い噛み方」が身についている子どもの歯列は,口蓋がしっかり成長することで乳歯列に発育空隙があり,下顎臼歯もしっかりと直立しています(図4)2.つまり,正しい口腔機能が健やかな歯列成長を促し,健全な永久歯咬合が確立されていくのです.■良い呼吸■良い飲み込み方上下の歯は少し離れる(安静空隙)舌尖は口蓋に接触している口唇は閉じるグラインディング咀嚼チョッピング咀嚼舌は口蓋に接触している上下の歯列は咬合しているChapter1 子どもたちの口腔の現状とは3b良い呼吸,良い飲み込み方,良い噛み方

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